「足の裏を外に向けるように捻ってしまった」
「足首を捻ってしまって、内くるぶしの周りが痛い」
「捻ってから、足首の内側が腫れてきた」
このような捻挫は、「外反捻挫」の可能性が高いです。
(※例外もあります)
外反捻挫とは
足首の捻挫の中ではめずらしい捻り方になります。
一般的には足を内側にグキッと捻ってしまう「内反捻挫」が最も多く、全体の9割がこの捻挫と言われています。(写真)
それに対し、内側が痛くなる「外反捻挫」は、約1割くらい。
その理由を細かく言うと多々あるのですが、簡単にまとめると「内側は靱帯が強い」ことが要因です。
なので簡単には伸びたり切れたりしません。
そもそも、こうやって捻ること自体が難しいですよね?
ですので、外反捻挫をする人は比較的少なくなります。
どういう時に捻ることが多い?
まず一般的な捻挫ですが、普通の道路を歩いている時や走っている時にように、前に向かって進んでいる時に捻った場合には内反捻挫が多くなります。これは、つま先が下を向いた瞬間は外側が緩くなり、内反しやすくなるためです。
ほとんどの捻挫は、上記のパターンです。
それに対して外反捻挫は、一般の方だとハイヒールや厚底のような不安定な靴を履いている時に捻ることが多くなります。普通に立っている時でも、振り返った瞬間などにバランスを崩して捻ることもあります。
他には、地面がデコボコしているところで捻ることも多いです。ハイキングやトレイルランなどは、石や木の根などの隆起したものを足の外側で踏んでしまい、その段差で外反捻挫を起こしてしまいます。
スポーツでは、タックルのように直接横から体当たりする競技や、足払いがある競技などで発生することがあります。特にサッカーなどは、軸足がスライディングされて捻ることも多々見られます。
何が損傷されるの?
外反捻挫によって損傷するのは、まず「三角靱帯」と言われる靱帯です。細かく説明すると難しくなるので、図の青色部分、3つの強い靱帯が内側を守っていると思っておいてください。
これはとても強固で、滅多に損傷されません。当然、そのような強い靱帯が痛むということは、それだけ捻挫の症状が悪いということになります。ですので、外反捻挫は通常より回復に時間がかかる捻挫となってしまうことが多くなります。
足首の構造上、この三角靱帯が損傷すると立っているだけでも靱帯にストレスがかかります。体重を乗せるだけで痛みが出現することが多く、回復にも時間がかかってしまいます。
靱帯の損傷については過去のブログでも説明していますので参考にしてください。
また、この他にも後脛骨筋や長趾屈筋、長母指屈筋などの筋肉や、関節包という軟部組織なども同時に損傷することが多くなります。
骨折も多いので注意を!
先ほど、外反捻挫は通常より症状が悪いとお伝えしましたが、骨折を併発する確率が高くなるのも特徴です。
前出の通り、三角靱帯はとても強固な靱帯です。この靱帯が伸ばされる際に、その牽引力に骨が負けてしまって、はがされるように剥離(はくり)骨折を起こすことがあります。
ここで起こしやすい骨折を、「脛骨内果 剥離骨折」(けいこつないか はくりこっせつ)と言います。図の丸の部分がかなり腫れますし、内出血も出ます。痛みも強いので、その傾向が見られたら様子見をしてないで病院へ行きましょう。
また更に、外反捻挫をしたのに外くるぶしに激痛がある場合は、腓骨(ひこつ)という骨を骨折している場合があります。これは剥離よりも重症なので、内側も外側も激痛な場合は速攻で病院へ向かってくださいね。剥離ではなく腓骨や脛骨を骨折している場合、最悪手術になることもありますので、医師の診断を受けることは重要となります。
まとめ
捻った際の応急処置は、内反も外反も同じくRICE処置です。詳細は下記の【応急処置の方法について】をご参考ください。
外反捻挫は通常の捻挫よりも悪くなる傾向にあります。特に骨折や脱臼を伴う場合などは自分で判断することは難しく、放置すると後遺症が強く残ってしまうこともあります。捻ってしまって外反捻挫かな?と思ったら、自己判断せずに医療機関での受診をお勧めします。
都内近郊にお住まいの方、当院では「足首の捻挫専門プログラム」を行っています。外反捻挫の後遺症でお悩みの方も、まだまだ改善する余地があるかもしれません。是非一度ご相談くださいね!
【応急処置の方法について】
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もみじはりきゅう整骨院(Iida)